メンズの冬服の定番アイテムPコート。
数あるメンズの冬服の中でも”ド”が付くほどの定番ではないでしょうか。
そんなPコートですが実は初心者には非常に使いやすいアイテムとなります。
今回はPコートの由来や着こなし方、大人なメンズコーデを紹介します。
冬服の定番Pコート
誰もが知っている定番アイテムのPコートですが、Pコートはミリタリーアイテムになります。
ミリタリーと聞くとMA-1やモッズコートなど、カジュアルなイメージを持たれる方も多いかと思いますが、元々は港の漁師や船乗りの防寒着でした。
そんなPコートをイギリス軍が採用したことによりミリタリーコートとなった歴史があります。
ミリタリーアイテムはデザインよりも機能性を重視しており、Pコートも機能性を重視したデザインとなっています。
例えば、大きな襟は甲板で波音によって人の声が聞こえなくなるのを防ぐためであり、風向きで左右どちらが前に来てもいいようなボタン配置、丈の長さは動きやすさを優先しショートからミドルの長さ。
通常は機能性を優先させるとデザイン性が損なわれるのですが、Pコートの場合はデザイン性を残したまま機能性もある優秀なコートです。
Pってなに?
そんな疑問を持っている方は意外といるのではないでしょうか。
Pコートはミリタリーアイテムなので、パイロットの”P”と言われたりしていますが、どうやら「Pea」錨(イカリ)の意味というのが有力っぽいですね。
Pコートのボタンにも「Pea」錨(イカリ)のマークが刻印されています。
Pコートの歴史は港の漁師や船乗りの防寒着からスタートしているので、”P”が「Pea」錨(イカリ)の意味だという説には頷けます。
他のミリタリーコートやジャケットに興味がある方はこちらの記事がおすすめです。
初心者向けの理由
メンズの冬服で定番といえるPコートは実はおしゃれ初心者向けのアイテムになります。
その理由は着ている人が多いとか、定番だからといった理由ではありません。
おしゃれなメンズファッションの基本はドレスとカジュアルのバランスです。
詳しくはこちらの記事で紹介していますが
ドレスが7に対してカジュアルを3にするのが、おしゃれで大人なメンズファッションとなります。
このバランスは夏服でも冬服でも同じで、大人メンズファッションの基本とも言えます。
ドレスとはスーツスタイルをイメージして頂くとわかりやすいかと思います。ジャケットやスラックス、シャツに革靴などがドレスアイテムになります。
逆にカジュアルはパーカーやデニム、スニーカーなどになります。
メンズのアイテムは圧倒的にカジュアルが多いため、ドレスなアイテムは非常に貴重となります。
Pコートのあのカチッとしたデザインはドレスアイテムとなります。
さらにあの短い丈もPコートが初心者向けの理由でもあります。
メンズの冬服にはトレンチコートやチェスターコートなど、ドレスなロングコートが定番アイテムとしてあります。
着丈が長いと大人っぽいドレスな印象となり、着丈が短いと子供っぽいカジュアルな印象となります。
さらにロングコートは面積が広いため、全体のコーデに与える影響が大きいです。トレンチやチェスターなどはデザインがドレスなので羽織るだけでドレスが強くなり、ロング丈の大人な印象も手伝いよりドレスになります。
逆にモッズコートは着丈の長いカジュアルアイテムなので、モッズコートを羽織るとカジュアルが強くなります。
しかしモッズコートは着丈の長いデザインが多く、着丈が長いだけで大人っぽく見せる効果があるため大崩れすることはあまりないかと思います。
モッズコートのきれいめコーデはこちらの記事でも紹介しています。
Pコートはどうかと言うと、カチッとした大人でドレスなデザインと、着丈が短く子供っぽいカジュアルデザインがMIXされ、非常に使いやすいアイテムとなっています。
ある意味Pコートだけでドレス7とカジュアル3のバランスが出来ているような感じです。
トレンチコートをカジュアルに着こなす方法はこちらの記事で紹介しています。
チェスターコートはこちらになります。
Pコートはロングもあるけど
そんな初心者向けのPコートですが、おしゃれ初心者に守って頂きたいことがあります。
それは
ロングは選ぶな!!
ロング丈のPコートを初心者が選ばない方がいい理由は
かっこよすぎる
Pコートはカチッとしたデザインなのでロング丈になるとドレスが強すぎます。
もっと砕いた言い方をすると「キメすぎ」感が出過ぎると言うことです。
ロング丈のトレンチコートやチェスターコートよりも、Pコートの方がドレスが強い理由は前身頃のデザインです。
トレンチコートやチェスターコートの多くが、シングルブレストと呼ばれるボタンが一列になったデザインです。
ところがPコートの場合は、ダブルブレストと呼ばれる前身頃のボタンが二列になったデザインです。
シングルよりもダブルの方が重厚な印象となりドレスが強くなります。
これでロング丈だとよりドレスが強くなり「キメすぎ」感が出過ぎてしまいます。この「キメすぎ」感を崩すのは簡単ではないため初心者にはおすすめしません。
意外と暖かいPコート
着丈が短く首元が開いているPコートですが、意外と暖かいのも嬉しいです。
Pコートはウールの生地が多いのでやはりウールは暖かいなと実感します。さらに元々がミリタリーアイテムなので、厳しい環境で軍人が着ていたものは作りが暖かいものが多いです。
首元が寂しいPコートですが、タートルネックやマフラーなどのアイテムも使いやすく、ゴワゴワさせずにスッキリと着こなせるところもいいですね。
ただし、防寒性だけで見るとPコートより暖かいアイテムがあるのも事実ですが、真冬に外で立ってることって、そうそうないですよね。
意外と建物の中や電車の中は暖房が効いて暑かったりします。
そんな時もPコートの暖かさはちょうど良かったりするので、個人的にはPコートの適度な防寒性能は好きですね。
Pコートの着こなし
Pコートを使った着こなしですが、Pコート自体がバランスのいいデザインなので、どんなアイテムと合わせても着こなしやすいです。
つまりそれだけ着回しが効くと言うことなので、そこも初心者におすすめする理由です。
全体のシルエットは通常丈のPコートなら細身のパンツでIラインを作りましょう。
スラックスや黒スキニーならドレス寄りな印象となりますし
- アウター:RAGEBLUE
- トップス:RAGEBLUE
- パンツ:RAGEBLUE
インディゴデニムならカジュアル寄りなコーデになります。
- アウター:GU
- トップス:WEGO
- パンツ:GU
- シューズ:Dr.Martens
ショート丈のPコートならIラインはもちろん
- アウター:TORNADO MART
- パンツ:TORNADO MART
- シューズ:TORNADO MART
ワイドパンツを使ったAラインも作りやすくなっています。
- アウター:HARE
- トップス:Name.
- パンツ:SHAREEF
- シューズ:SHAREEF
リュックを使ったYラインもできます。
- アウター:LOUNGE LIZARD
- トップス:LOUNGE LIZARD
- パンツ:LOUNGE LIZARD
首元が寂しいのでマフラーやスヌードを差し色として使うこともできますし
- スヌード:WEGO
- アウター:RAGEBLUE
- トップス:THE SHOP TK
- パンツ:STUDIOUS
- シューズ:Hawkins
靴下と同じ色にすることで色の統一感を出すこともできます。
- スヌード:WEGO
- アウター:WEGO
- パンツ:ユニクロ
インナーにパーカーを使って首元の寂しさを解消させ、パーカーがカジュアルアイテムなのでカジュアル寄りなコーデにすることができます。
- アウター:RAGEBLUE
- トップス:RAGEBLUE
- パンツ:RAGEBLUE
- シューズ:RAGEBLUE
ドレスアイテムのタートルネックならドレス寄りなコーデとなります。
- アウター:RAGEBLUE
- トップス:RAGEBLUE
- パンツ:RAGEBLUE
このようにPコートはアイテムを選ばず着こなすことができるので、「冬服は絶対これを買う!」など強いこだわりがないのであれば、初心者の方には真っ先に買って頂きたい冬服になります。
まとめ
メンズのPコートは本当に着回しが効きますしコーデが簡単なのでおすすめです。
Pコートだけ購入すれば手持ちのアイテムをそのまま使えるのがいいですよね。
ちなみに、Pコートと同じくらいメジャーなダッフルコートは意外とコーデが難しく着回しが悪いです。
ダッフルコートの場合はPコートとは逆でロング丈が使いやすいのですが、その理由はこちらの記事で紹介しています。